トラネキサム酸

シミ(肝斑)に効果的なトラネキサム酸は、もともと赤みや腫れなどに有効な抗炎症剤として医療機関で使用されていた成分です。

トラネキサム酸配合の美容液がシミを薄くするメカニズム、副作用、シミに効果的な使用方法などを解説しているのでチェックしてみてください。

美白成分トラネキサム酸のシミへの効果

トラネキサム酸の正体は人工合成されたアミノ酸です。本来は炎症や湿疹を抑制する際に医療機関で用いられていた薬ですが、美白効果が厚生労働省に認められた2002年以降は美白化粧品にも配合されるようになりました。

シミの原因となるメラニン色素を生成するのは、紫外線を浴びた際に発生するシミ情報を受けたメラノサイトという細胞。トラネキサム酸は、シミ情報の「プロスタグランジン」や「プラスミン」がメラノサイトに届くのをブロックするので、美白有効成分として認められています。

メラニン色素が生成される前の段階で力を発揮して、シミを根本からの予防が期待される成分です。トラネキサム酸を用いた研究では、メラノサイト活性化が原因で起こる「肝斑」が23名中22名改善したという報告もあります。

ただし、この研究結果はトラネキサム酸2%配合の製剤を用いた場合のものなので、濃いシミや肝斑を薄くしたい方はトラネキサム酸が2%以上配合されている美容液を選んだ方が良いでしょう。

もしくは、トラネキサム酸配合美容液でスキンケアを行ないながら、トラネキサム酸配合の医薬品やサプリメントを併用するのもおすすめです。

美白成分トラネキサム酸配合の美白美容液

  • 資生堂HAKU/メラノフォーカス2
  • 草花木果/ホワイトニングスポッツ
  • エリクシールシュペリエル/アクネケアエッセンス
  • ホワイトルーセント/インテンシブスポットターゲティングセラム
  • クレ・ド・ポーボーテ/セラムブラン

トラネキサム酸配合の美容液の使用方法

トラネキサム酸を配合している美容液を使用することで、肝斑が小さくなる、または薄くなるなどの効果が期待できます。ただし、残念ながらトラネキサム酸の作用だけで老人性色素斑(一般的なシミ)を消すのは難しいとのこと。

今あるシミをまとめて解消したいなら、トラネキサム酸配合の美容液でスキンケアを継続しながら、トラネキサム酸やビタミンCなどの内服薬を服用するのが◎。一般的な肝斑治療では、750~1500mgのトラネキサム酸内服薬と1000~2000mgのビタミンC内服薬が処方されます。

またトラネキサム酸配合美容液を使用している間は、メラノサイトに刺激を与えてしまう紫外線や摩擦から肌を守ることも大切です。

トラネキサム酸配合の美容液の副作用

トラネキサム酸は美白成分の中でも副作用が少ない成分ですが、体質によっては食欲不振や胸やけ、嘔吐などが起こるケースもあるようです。使用してみて体調に変化が表れた方、または妊娠中・授乳中の方はトラネキサム酸配合美容液の使用を中断してください。

また、本来トラネキサム酸は「抗炎症剤」「止血剤」として使用されている成分なので、心筋梗塞や脳梗塞、血栓性静脈炎など血液系の疾患を抱えている方も注意が必要です。

副作用が心配な方は、濃度の低いトラネキサム酸を配合している美容液を使用する、または医師や薬剤師が処方している内服薬を服用すると良いでしょう。

トラネキサム酸の効果をより高めるには?

アスコルビン酸との併用

アスコルビン酸とは、ビタミンCのこと。コラーゲンの合成に欠かせないビタミンCは、肌の弾力とハリを生み出す美容に嬉しい成分です。また、シミの原因酵素の働きを抑制、鉄の吸収率を上げて貧血予防、コラーゲンの生成を促し免疫力を高めるとも言われています。トラネキサム酸で肝斑を予防し、アスコルビン酸でメラニンを抑さえ、ダブル効果でシミの対策に力を発揮します。

Lシステインとの併用

Lシステインとは、タンパク質を構成するアミノ酸の一種。特に肝臓の解毒作用や、皮膚の色素沈着の原因(メラニン色素)の生成を抑え、体外に排出する働きがあります。アスコルビン酸と共にシミ・そばかすや肌トラブルを防ぐ効果があると同時に、アルコールを処理する酵素(アルコール脱水素酵素)を、活性化させる作用もあります。二日酔いや倦怠感を和らげることにも効果的です。

「美白」を目指す女性にとって最大の悩みは加齢と共に増加するシミである。ヒトにおいてシミを改善すると期待できる食品成分として、今回取り上げるシスチン・システインペプチド酵母エキス混合物にはL-シスチン・システインペプチド酵母エキス、ビタミンCが含まれている。L-シスチンはアミノ酸の一種であり、還元反応によりL-システインとなる。L-システインは肌改善を目的として医薬品成分として使われる。

出典:日本栄養・食糧学会誌第68巻 第4号 157-163 (2015)(PDF) シスチン・システインペプチド酵母エキス混合物含有サプリメントの摂取が女性の肌に及ぼす影響:二重盲検ランダム化比較/日本栄養・食糧学会誌第68巻 第4号 157-163 (2015) [PDF]

トラネキサム酸と似たような効果を持つ成分は?

4MSKの効果

4MSKとは、4-メトキシサリチル酸カリウム塩の略称で、サリチル酸の誘導体です。サリチル酸には、主な働きとして殺菌・抗菌作用、角質の軟化があります。また、4MSKには、シミの原因であるチシロナーゼ(活性酵素)の働きを抑制し、メラニンの生成を防ぐと言われています。そのため、新たなシミを予防するのに効果を期待することができます。肌表面にシミができてしまうのは、加齢や不規則な生活習慣によってターンオーバー(肌サイクル)が乱れることによるものです。そこで4MSKは、黒化したメラニンを肌内部から排出させ、シミの改善へと導きます。

油溶性甘草エキスの効果

油溶性甘草エキスとは、甘草の根から抽出した植物にエキスで、「甘草フラボノイド」「グラブリジン」とも呼ばれています。メラニン生成の早い段階で、酵素を抑制。ビタミンCの約270倍と言われるほど、強力な美白効果が見込まれます。シミの元となるメラニン色素を構成している酵素「チシロナーゼ」「TRP-2」を阻止できるグランブリジンが含まれているため、油溶性乾燥エキスには高い美白効果を期待。また、抗酸化作用によりお肌の老化防止、ターンオーバーの安定、コラーゲンの生成効果があると言われています。

B 16メラノーマ細胞を用いて, コウジ酸及び油溶性甘草エキスの併用によるメラニン生成抑制効果について検討した。その結果, コウジ酸と油溶性甘草エキスを併用すると, 両者を単独で添加した場合に比較して相加的にメラニン生成を抑制することが明らかとなった。

出典:日本化粧品技術者会誌 メラニン生成に対するコウジ酸及び油溶性甘草エキスの併用効果:日本化粧品技術者会誌