シミの種類と原因

気づけば増えている顔のシミ。いち早くケアするためには、シミの特性や効果的な成分を知ることが大切です。こちらでは、シミの種類や原因、有効成分を紹介しています。

どのくらい知ってる?シミの種類と有効成分

シミとひとくちに言っても、根本的な原因が違っていれば有効な成分も異なります。肝斑(かんぱん)や炎症後色素沈着などのシミの種類や原因をもとに、どんな成分が有効なのか探ってみましょう。

シミ・そばかす

よく一緒にされるシミ・そばかすですが、厳密に言うとそれぞれきちんとした違いがあります。

シミは紫外線の影響やニキビ跡の炎症など、ダメージを受けたことが原因で現れる症状。シミのもととなるメラニンは、紫外線を浴びたことによって皮膚がんを引き起こさないために生まれます。本来であれば体を守るための役割を持っているメラニンですが、紫外線やホルモンの影響で過剰に生み出されるとシミになってしまうのです。

そばかすは、正式名称を「雀卵斑(じゃくらんはん)」といって、ほとんどが遺伝性によるものです。一般的なシミよりも小さく、頬や鼻周辺を中心に現れます。紫外線を浴びると斑点が濃くなることがあるので、適切なケアが必要です。

シミ・そばかすに有効な成分は?

シミ・そばかすには、メラニン色素の生成を抑え、シミを改善してくれる「ビタミンC誘導体」がおすすめ。また、抗酸化作用があり、ターンオーバー(肌の代謝)を正常化してくれる「L-システイン」が配合されている美白美容液を選べれば鬼に金棒です。

ビタミンCには、もともとメラニンの生成を抑制する作用やコラーゲンの産生を促進する作用がある栄養素として知られていました。しかしながら、ビタミンCはそのままでは水に溶けやすく、肌につけても効率よく吸収されないことから、分子構造を変化させて、ビタミンC誘導体として化粧品として活用するための研究が長年続けられています。

アスコルビン酸(AsA)は,ビタミンCともよばれる水溶性ビタミンの一種であり,メラニン生成抑制やコラーゲン産生促進,活性酸素除去などの機能を有する成分として知られている。特にメラニン生成抑制効果は,白く美しい肌を望むアジア人にとって注目される機能の一つであり,アスコルビン酸リン酸マグネシウム(MAP)やアスコルビン酸2―グルコシド(AG)などに代表される様々なAsA誘導体が開発されてきた。
〜中略〜
AsAの3位にグリセリル基,2位にアルキル基を導入したアルキル釣りセリルアスコルビン酸はアルキル基の炭素数12以上のものにおいて,ハイドロキノンに匹敵するメラニン生成抑制能が確認された。また,炭素数16のアルキルグリセリルアスコルビン酸において,2位および3位の置換基を入れ替える,その活性はさらに増強されることが確認された。

出典:(PDF) 『アルキルグリセリルアスコルビン酸誘導体の分子構造とメラニン生成抑制効果との関係』日本化粧品技術者会誌,49(1)2015 [PDF]

また、L-システインもビタミンC誘導体と同じように、チロシナーゼというメラニン生成に関わる酵素の活性を抑制して、メラチンが発生しないように働きかけてくれる作用があることがわかっていいます。

L-システインもSH化合物として,チロシナーゼの活性抑制とUV照射時の表皮細胞におけるPOMC(pro-opiomekanocortin)は発現抑制効果が知られている

出典:(PDF) 『モルモットに経口摂取させたビタミンC, L-システイン, ビタミンEの併用による色素沈着抑制効果』日本栄養・食糧学会誌,56(4)2003 [PDF]

肝斑(かんぱん)

肝斑とは、頬骨に沿うように左右対称に現れるシミで、濃さが均一なのが特徴です。3040代女性に多く見られるほか、妊娠中に現れたり閉経を迎えると消えたりするため、女性ホルモンが関係しているのではないかと言われています。

肝斑に有効な成分は?

肝斑に効果的だと言われているのが「トラネキサム酸」です。紫外線といったダメージを受けると、肌を守るためにメラニンを生成する指令が出されますが、その指令自体を留めることで肝斑を防ぎます。

肝斑の治療に、トラネキサム酸は古くから用いられています。例えば肝斑患者にトラネキサム酸を内服させ、色素沈着の変化を調べた実験では、投与開始から1〜2ヶ月で着色が薄くなったことが報告されています。

肝斑患者11名にトラネキサム酸0.75-1.59/日を投与した。投与開始後1-2カ月後には, 11例全てにおいて着色の軽減を認めた。投与を中止すると, 1-2カ月後には着色の程度は旧に復した。副作用は認めなかった。トラネキサム酸の内服療法は肝斑の治療法としてきわめて優れた治療法と考えた。

出典: 『肝斑に対するトラネキサム酸療法』皮膚30(5)1988

また、トラネキサム酸を内服ではなく乳液で皮膚に塗布した場合の、肝斑改善度合いを調べた実験では、約8割の方に肝斑改善効果が見られたこともわかっています。

しみ・そばかすに対するトラネキサム酸配合乳液の外用による有用性を肝斑25例,雀卵斑8例に5週から18週間使用させて調べた。最終観察時では,肝斑に対しては20例(80%),雀卵斑に対しては6例(75%)に良好な成績が得られた。また,副作用は認められず,トラネキサム酸の安全度に問題はなかった。皮膚所見の推移をみると,肝斑では8週以内に試験乳液の効果が認められ,雀卵斑では12週以内に試験乳液の効果が約6割の患者に認められたことから,少なくとも2ヵ月以上の外用が効果発現に必要であると考えられた。

出典: 『トラネキサム酸配合乳液の肝斑・雀卵斑に対する使用成績』皮膚の科学6(3)2007

炎症後色素沈着

ニキビや湿疹、虫刺されなどの炎症がきっかけとなって色素沈着し、シミが現れる症状を「炎症後色素沈着」と言います。炎症後色素沈着は時間とともに消えるケースがほとんどですが、ちゃんと消えるまでに数年かかることも。肌の炎症を引き起こさないために、紫外線を避ける、強くこするような洗顔はしないなどの対応を心がけましょう。

炎症性色素沈着に有効な成分は?

自然に消えるシミなので、ターンオーバーを促進させ、肌を何度も生まれ変わらせることが重要です。ターンオーバーを促進する「L-システイン」といった成分の入った美白美容液がおすすめ。

L-システインはアミノ酸の一種となる成分です。アミノ酸は、身体が髪の毛や皮膚、爪などを作る際に欠かせない栄養素。L-システインは食品にも含まれていて、大豆や鰹節などがその代表例です。とはいえ、食事から十分な量のL-システインを確保することはなかなか難しく、コスメなどで補給してあげるのがオススメです。

L-システインの持つ働きは、大きく分けて3つ。ターンオーバーの正常化、代謝サポート、抗酸化作用です。
特に炎症性色素沈着の改善に嬉しいのが肌のターンオーバーを正常化してくれる作用です。

ビタミンCとL-システイン、ビタミンEの併用がどの程度色素沈着抑制に効果をもたらすかを調べた実験では、ビタミンCだけを摂取させた場合よりもL-システインを合わせて摂取させた方がメラニン生成がより抑制されていました。

ビタミンC (アスコルビン酸), L-システインおよびビタミンE (コハク酸d-α-トコフェロール) の併用による色素沈着抑制効果を, 褐色モルモットに経口摂取して検討した。背部を除毛後, 紫外線 (UV-B) を照射した褐色モルモットの皮膚色はメラニン色素の沈着によりL*値 (明度) が低下したが, ビタミンC単独摂取ではL*値の上昇傾向を示し, ビタミンCとL-システインの併用またはビタミンC, L-システインとビタミンEを併用することにより, 紫外線照射によるL*値の低下はいずれも有意に抑制された。紫外線照射部の表皮ではDOPA反応陽性のメラノサイト数が増加したが, ビタミンCとL-システインの併用またはビタミンC, L-システインとビタミンEの併用では, 対照群に比べて有意に減少した。

出典:(PDF) 『モルモットに経口摂取させたビタミンC, L-システイン, ビタミンEの併用による色素沈着抑制効果』日本栄養・食糧学会誌,56(4)2003 [PDF]

女子顔面黒皮症(色素沈着型化粧品皮膚炎)

化粧品によるアレルギー反応が原因となって、頬や額などに広がっている強い色素沈着のことです。肌の表面にあったメラニン色素が真皮層に落ち、溜まることで起こります。アレルギー反応の原因物質としては、パラベンやジャスミン油などが挙げられているようです。

女子顔面黒皮症の有効成分は?

アレルギー反応がきっかけになるため、原因物質が何なのかを突き止めることが先決です。原因物質が不明なまま別の化粧品でケアすると症状を悪化させてしまう可能性があるため、まずは皮膚科を受診しましょう。炎症が強い場合は、専門医の指示に従ってステロイド薬を塗ることで症状は落ち着きます。

摩擦黒皮症

肌が何度も同じような摩擦で刺激を受け、メラニン色素が沈着し、黒ずんでしまうことを「摩擦黒皮症」と言います。ゴシゴシと力を入れて洗顔していたり、ナイロンタオルで強く顔をふいていたりするのが原因です。肌にやさしいスキンケアやメイクをするようにしましょう。

摩擦黒皮症の有効成分は?

メラニン色素が沈着することで起こる摩擦黒皮症には、メラニンの生成を抑える「ハイドロキノン」が含まれた美白美容液がおすすめです。肌の再生を助ける「プラセンタエキス」が含まれているものなら、なお良いでしょう。

ハイドロキノンはメラニンの生成に欠かせないチロシナーゼという酵素の働きを抑制することでメラニン生成プロセスを阻害することがわかっています。

メラニン生成抑制効果のある物質は多く報告され、中でもハイドロキノンにグルコースがβ結合した配糖体であるアルブチンについてはその効果,安全性ともに詳しく報告されている。
〜中略〜
チロシナーゼ活性抑制作用はチロシナーゼによるドーパからのドーパクロムの産出量を指針に検討し,その結果をFig,1に示した。HQ-α-G及びアルブチンは容量依存的にチロシナーゼ活性を抑制し,各濃度における両物質の阻害効果には有意な差は認められなかった。

出典: (PDF) 『ハイドロキノン-α-グルコサイドによるメラニン生成抑制効果』薬学雑誌,115(8)1995[PDF]

また、プラセンタエキスに関しても、チロシナーゼ酵素に対するプラセンタエキストラクト(PL)の影響を調べた実験では次のように報告されています。

PLはチロシン→ドーパの反応に対して有効な抑制作用を示すことが認められた。〜中略〜PLはこのような条件に示された範囲では.チロシナーゼによる着色反応の色にかなり強い抑制を示すものと推察される。

出典: (PDF) 『メラニン形成におよぼすプラセンタエキストラクトの影響』日本化粧品技術者会誌,16(1)1982 [PDF]